引っ越しました


by priprim
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ブラック・スネーク・モーン

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この映画のことを知ったのは近所にあるビデオレンタルの店頭にあるTV画面から流れていた予告映像・・・

いやぁもうすっかり変態の映画なんだと思っていました。

SEX依存症の白人女性を妻を弟に寝取られた黒人男性が鎖でつないで監禁するだなんて・・

なのにどうしてこんな作品にサミュエル・L・ジャクソンが出ているの?

クリスティーナ・リッチもとうとう落ちぶれたか・・・・

なんて思いつつ借りてみました。
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すっすみません!!!

ぜんぜんそんな変態映画じゃなかったです。

かつてはブルースシンガーとして熱い思いをぶつけていたラザレスもいつの間にか情熱を失い農夫としての淡々とした毎日を送っていた。
そんなラザレスに嫌気がさした妻ローズはラザレスの弟と関係を持ち町を出て行く。

レイは幼い頃から性的虐待を受けていたための心の傷が深かった。
心の奥にある恐怖を拭い去るにはSEXしかなかった。
恋人のロニーがその心の傷を埋めてくれていたのに、ロニーは州の軍隊に志願し行ってしまう。ロニーのいない寂しさと心の奥底にある恐怖それらを埋めるためレイは町をさまよい男をあさる日々。レイはある日酒とドラッグでハイになってレイの友人を誘い車の中で殴られ車外に放り出された。

妻に逃げられ自暴自棄になっていたラザレスの前に現れたのはそんな白人少女レイ。
しかもレイは半裸で誰かに殴られ倒れていた。
普通なら警察を呼ぶか病院へ運ぶかという事になるが、黒人と半裸で傷だらけの白人女性・・
ラザレスは、迷うことなく家で看病をする。

傷が治り出て行こうとするレイをラザレスは鎖で繋いだ。

「お前の中の悪魔を追い出してやる・・・」


日本人には理解しがたい『神』への信仰がこの映画の支えになっています。

幼い頃の傷を抱えたレイとブルースを歌う事によって魂の浄化を図ってきたラザレス。
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ラザレスはレイを鎖で繋ぐ意外説教もしなければ暴力も振るいません。


これが都会の人達の話なら「セラピーに行きなさい」で終わってしまうのでしょうが、そういった類の物は一切出てきません。

ただ、偶然訪ねてきたの親戚である神父のRLが話をするだけです。
神父RLが言います

「みんな天国の事を気にしすぎている。『こんなことしたら天国に行けない』『過ちを犯したから天国に行けない』そんな事より今生きているこの時間を天国にしないといけない」

「君のような人の病気を直す事ができるのは『君自身』と『神』のみだ」

幼い頃から『男』という恐怖に立ち向かってきたレイ。
唯一母に『悪かった』と『知っていたのに助けられなかった』と言って欲しいという願いも叶いません。

一方軍人を志願して出かけたレイの恋人ロニーも実は「不安発作」という持病を抱えていたため除隊になり町に帰ってくる。

やがて二人はささやかな結婚式を挙げ町を出て行く・・・・・

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この映画には『これ』と言った答えは出てきません。

それでも人生は続くのです。

映画というものは、『問題集』ではないかといつも思います。

『どう思う?』と言う問題を出されてエンドロールへと向かう。

そして私は考える・・・・

こういった行為ができる映画は少ないですが、この作品は数少ない内の一本となりました。


この映画の中ではブルースがずっと流れています。

ブルースは黒人が生んだ魂を歌う歌。

心の叫びをギターにのせて歌い上げます。

サミュエル・L・ジャクソンがギターを弾きながら歌う姿はしぶいです。

ところで私は一枚だけブルースの神様ロバート・ジョンソンのCDを持っているのですが、これでイントロ当てクイズはできません。

なぜならCDに収録されている曲の殆どが同じイントロで始まるからです。

高島忠雄もビックリです。
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by priprim | 2008-01-24 11:02 | 映画